2008年J1開幕戦2007アジアチャンプ浦和レッズをくだす

 なるほど、レッズの出来はひどかった。何回ゴール前にクロスをあげても前線につながらない。高原、エジミウソンのFW。挙句の果てに永井、田中達也と4人もFWを投入してもダメ。何をやってもFマリノスの守備を崩すことはできなかった。

だが。

多くの報道の論調のような、レッズが自滅したがために、Fマリノスが“偶然”勝利を得たものだったのか。
それは違う。
定評あるレッズの守備を翻弄し、突破しゴールをあげた小宮山。後半24分2枚目のイエローでロニーが退場となり、次々と投入される浦和のFW。数的不利な状況の中にもかかわらず、高原にボールを集中することでようやくリズムを取り戻してきた浦和の攻撃にもかかわらず。遂にゴールを割らせることを許さなかったのだ。
 チームのまとまりや、士気の高さも勿論必要だが、それを後押しした満員のスタンドのサポーターの力によるものだったに違いない。
そうして、そのスタンドの熱狂とチームの勝利を実現しようと、14時5分のキックオフのために、朝7時からスタジアムに集まり、ビッグフラッグの掲出のリハーサルを行い、ゴール裏をトリコロールで埋め尽くすべく黙々と小旗やプレートを準備し、各席にセットし。更には試合後、夕暮れ迫る中、次の試合のためにビッグフラッグをたたむ。
  サポーター一人ひとりの想いと努力があってこその勝利だと思えたのだ。彼らの思いに応えるチームやスポンサー企業の方々の思い──。そんな「気」の詰まったビッグフラッグだからこそ様々なミラクルや伝説を作って来たし、これからも作ることだろう。
この日は取材メンバーとは別に、普段なかなかスタジアムに来ることのできない制作・事務方のメンバーも(レッズ側で)観戦させていただいた。「あの幕も、あの旗も、あっちのダンマクも、こっちのも !!」スタジアムに掲げられた応援幕・フラッグの半分以上7・8割を占める自分達が染めた幕に再会できて大興奮だった。「あんなに、(10年くらい)前に作った幕をまだ、使ってくれているんだ !!! うれしい」

マリノスサポーターの思い、レッズサポの思い、制作させてもらった者の思い・・・ その全ての思いに、思いと努力だけには敬意を表して。
〈写真・文 落ちこぼれレッズサポ=MAN〉