スタジアムや各種のイベント等でも、最近良く目にする巨大フラッグ。
この通称「ビッグフラッグ」においては、染太郎はパイオニア的存在です。 百貨店の大型バナー作りから始まった染太郎のノウハウを、Jリーグ各チームのスタッフや サポーターのみなさんと改良を重ねながら20数年に渡って研究してきました。その結果、今では100m級のウルトラビッグフラッグも、製作可能となっています。

まず、どんなに大きくても移動が可能な重量や仕様であること

これには、生地の耐久性と重量のバランスが重要で、それ相当の風圧にも耐え、しかも軽い素材である事が必須条件となります。
それと、運搬しやすい、あるいは掲出しやすい質感である事も重要です。イベント中の掲出時間は、わずか5~10分程度である事が多く(だからこそ強烈なインパクトを残す訳ですが・・)すみやかに撤収できる仕様と素材である事は、言うまでもありません。
弊社製作のビッグフラッグは、全て、車で運搬可能です。100m級の巨大なフラッグも、せいぜいハイエースレベルの車で事足ります。
たたみやすく、しかもシワになりにくい素材という事です。

また縫製も重要で、必要以上にゴテゴテさせずに強度を意識した仕様は、大型フラッグを永年作り続け、知り尽くしているからこそ可能になる隠れた名人技であると言えます。

そして何と言っても、染色。プリンターの無味乾燥な味とは全く違う「心のこもった染色」は、迫力も表現力も別世界です。
まず、染料が全然違う。これは、発色においても、色の耐久性においても、数レベルの違いがあります。
生地の上っ面をなでる様なプリンターのノズルから出る染料と、経験を積んだ職人が力を込めて刷り込むのとでは、表現力も耐久性も大きな差となって表れてきます。

それと、若干、精神的な話になりますが、弊社のスタッフはフラッグに気持ちを注入して製作していますので、そのフラッグがサッカーの応援フラッグだったら「このチームとサポーターに幸運が訪れますように・・」と祈りながら製作し、ある商品の広告フラッグだったら「この
商品が売れますように・・」と願いながら製作しています。
その染色している手から、フラッグに魂を注入しているのです(笑)でもホントなんです。この差が、案外大きいのです。アナログの凄さはそこなんです。

ここでは、ある巨大フラッグの製作風景を解説入りで紹介しています。
ホントに全てがアナログだとお分かりいただける事と思います。
この作り方こそが、日本の誇る「フラッグの染め方」の王道であり、基本中の基本です。
フラッグはこの形で作って、始めて「本物」の生きたフラッグになります。デジタルプリントによる「なんちゃってフラッグ」に魂はありませんので、充分、ご注意くださいますようお願いします

あの「でか幕」はどうやって作られるのか。 全工程をお見せします!
基本は通常の横断幕の作り方と同じ。手染めです。
ンピュータ上にデザインされたデータを元にして、そこからアウトライン=輪郭線を取り出し、裏に特殊な糊のついた専用紙に原寸大でプリントします。
これが型紙になります。
これを生地に貼り付けて染色する部分の型紙を切りぬきます。
切り抜いてはがしたものは、捨てません。バックに色が入る場合は、染色した上にそれを貼り、マスキングに使ったりします。
必要部分のカットが終わったら、いよいよ染色です。
型紙をセットし、切り抜かれたところに染料を乗せ染めていきます。
この方法を捺染〈なつせん〉といいます。古来からある伝統的な染色法のひとつです。

完成。
マスキングと染色の繰り返しで、複雑なロゴ・マークなども染分けていきます。